昭和の時計とソ連の時計

古い時計のあれこれ

ボストーク コマンダスキー Komandirskie 

コマンダスキー  Командирские

公開日:2019/12/16    最終更新日:2023/08/06  

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旧ソ連製のミリタリーウォッチと言えば、真っ先に思い浮かぶのはボストーク社のコマンダスキーではないでしょうか。

写真のモデルは、1980年代後半のソ連で発売されたコマンダスキーで、メッキが施されされた真鍮製のケースには、回転式ベゼルが装着され、厚さ 2mmのプラスチック製のドーム型風防とネジ込み式竜頭が採用されています。そして衝撃吸収装置を備えた手巻き式の Восток 2414А ムーブメントが搭載され、1990年代には多くの国へ輸出され、ソ連のミリタリーウォッチとして人気を博しました。

 

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この回転ベゼルのモデルこそが、コマンダスキーだと思われている方も多いはずです。実際に画像などを検索すると、このモデルばかりがヒットするのも事実で、人気の点ではコマンダスキーを代表する時計です。
しかし、コマンダスキーの長い歴史の中でも(旧ソ連時代で区切った場合)最後に登場したモデルでしかなく、しかもそれまでのコマンダスキーとはデザインやメカニズム、そして製造の趣旨までが異なる異色のモデルでもありました。では、本来のコマンダスキーとはどんな時計だったのか。

目次

 

  

 チストポリ時計工場のコマンダスキー

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2015年に誕生50周年を記念して発売された初期のコマンダスキーのレプリカ

1965年、ソ連国防省の要望により НИИЧаспром(時計産業研究所)が特別仕様の腕時計の候補選定を開始した。タタール自治ソビエト社会主義共和国(現在のタタールスタン共和国)にあるチストポリ時計工場(Чистопольский часовой завод 現:ボストーク社)で製造されていた腕時計 «Мир»(Восток 2214 搭載)が選ばれ、新たにハック機能*1が追加された特別仕様の Восток 2214 を搭載するコマンダスキー(露:Командирские / 英:Komandirskie)が誕生します。
ムーブメントの型番は 1969年に導入された業界規格 ОН 25-09-126-69 により、ハック機構を備えた型番 Восток 2234 が割り当てられます。

兵士が着用する軍用時計のイメージを持たれがちなコマンダスキーですが、本来は一部のエリートに対し、授与したり限定的に販売した特別な時計で、ソ連軍の官給品として作らた物ではありませんでした。そのためシンプルなデザインが多く、1970年代に製作された角型のコマンダスキーは、将校の礼装に含まれていたという話もあるので、エリート軍人のステータスシンボルだったのかも知れません。

 

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1976年のボストーク社のカタログに載るフォーマルなイメージのコマンダスキー。
初期の丸形と1970年代の角型。


しかし、戦場での過酷な環境に耐えうる防水性や耐衝撃機構を備え、国防省の厳しい規格は満たしていたので、その点では軍用時計とも言えますが、ただ一般に思われている軍用(米軍の Hamilton や TIMEX)とは少々指向が違うようです。


1980年代後半に従来のデザインから一線を画す、ねじ込み式竜頭と回転ベゼルを採用した新しいモデルが登場すると、その見た目と海外バイヤーの宣伝とが相まって、ソビエト兵が着用する軍用時計のイメージが浸透したのだと思います。コマンダスキーには見栄えの良い多彩な文字板や記念モデルが揃えられ、それまでの指向とは異なる外貨獲得へ軸足を置いた輸出モデルと言えるかもしれません。



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ねじ込み式竜頭と回転ベゼルを備えたソ連時代後期のモデル。

下段中央、左の2個は、ЗАКАЗ МО СССР(ソ連国防省発注品)の名が入った特別品。
右端の2個はシリアルナンバーが無いのでソ連崩壊後に製造された物と思われます。

 

現在のコマンダスキーは旧ソ連時代のデザインを継承したモデル以外にも、写真のようにステンレス製のケースにGMTやインナーベゼル、自動巻き機構を備えた真新しいデザインのモデルも多数揃えられています。しかし、その心臓部には変わること無く旧ソ連で設計された Восток 24xx 系のムーブメントが搭載されています。 *2

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このモデルは現行品ですが、文字板全面が光るタイプは残念ながら現在カタログ落ちに
なっています。*3


 

 コマンダスキー 復刻モデル

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写真は 2015年にコマンダスキー誕生50周年を記念し、ロシアのボストーク社(露:Восток / 英:Vostok)が製造した初期モデルのレプリカです*4
文字板には、ソ連国防省指定の Командирские(コマンダスキー)、ЗАКАЗ МО СССР(ソ連国防省注文品)の文字が入り、他にも赤星、製造メーカーの чистополь(チストポリ)*5と、ソ連時代のオリジナルに忠実なデザインとなっています。サイズは若干大きくなっているようです。

ムーブメントは、ハック機能を搭載した Восток 2234 が既に製造終了していますので、残念ながらハック無しの一回り大きい Восток 2414А へ変更されています。「クリープのないコーヒーなんて…」(古い)ではありませんが、ハックのないコマンダスキーって微妙だな。でも買いました。))


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ソ連時代の販促用ポスター

「将校のための新製品!急いで手に入れよう!」(多分)
軍は一部の功績者へは授与しましたが、広く将校への貸与はなされず、欲しいなら「自腹で買え」だったみたいです。ポスターの最後には、「コマンダスキーは軍人のみへの販売規則に従って、軍の販売店を通じて優待価格で販売されます」となっています。

 

このポスターについて少し書いてみました。併せて読んでみて下さい。

raketa.hateblo.jp

 

時計王国 ソビエト連邦

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写真は1990年に作られた、ボストーク社のカタログです。
説明文がロシア語を始め、フランス語、ドイツ語、英語、スペイン語と多言語対応になっており、外国向けの物だと思います。ソ連は時計を外貨獲得の重要な輸出品と捉え、その製造に多くの資材や人員をつぎ込んでいました。1970年代に躍進する日本に抜かれるまでは、時計生産量でスイスに次ぐ世界第2位の座を長らく守って来ました。

そんなソ連のモスクワ第2時計工場(当時はSLAVAが使用)を冷戦の真っ只中の1966年に見学した、オリエント時計株式会社の技術者、菅沼義方さんの手記が古い「日本時計学会誌」に載っています。当時の工場の様子などが詳しく書かれており、ソ連製の時計に興味のある方は一読をお勧めします。J-STAGEから、「海外事情 バーゼル見本市とモスコーの時計工場」で検索すると見れます。昔はモスクワでなくて、モスコー。古いな…。


ロシアにおいて、今や時計を一から製造出来るのは、ボストークただ一社*6。かつてソ連が時計王国だった事を知る人は少ないかもしれません。


 

 

今も作ってる旧ソ連のムーブメント

コマンダスキーのレプリカモデルに搭載された「Восток 2414А」は、1970年頃のソ連で開発されたムーブメントですが、50年近く経った現在もボストーク社で生産され、同社の全ての手巻き式時計に搭載されています。「Восток 2409」というデートなしモデルも有りますが、基本構造は全く同じです。また手巻き式のムーブメントの上に自動巻機構を2段重ねにした「Восток 2416Б」もあります。

この「Восток 2409 / 2014A」ムーブメントは、自動巻きだけで無く現在もGMT やムーンフェイスなど、新しい機構を増築改築しながら取り込み進化しています。しかし、その基本設計はソ連時代のまま何も変わりません。

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写真は文字板こそ違いますが、ムーブメント 2414А で、こちらはロシア製です。部品の構成はソ連時代も現在も同じですが、細かい部分で改良等が行われ、互換性のない物もありますので、交換される場合はご注意下さい。

 

 

時計工場 刻印いろいろ

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 現在のボストーク社の正式名称は「チストポリ時計工場ボストーク」です。
キリル文字では「Чистопольский часовой завод  «Восток»*7となり、長いので「ЧЧЗ «Восток»」と略したりもされてます。

そう、古いムーブメントに見られるЧЧЗ」の刻印(写真)は、この略語から来ています。では «Восток» の文字はどこへ行ったのか?

1941年、ドイツ軍の攻撃を避けるため、モスクワ第2時計工場の人員と製造設備が、現在のタタールスタン共和国のチストポリへ疎開すると、1947年に政府の命令により、「Чистопольский часовой завод (チストポリ時計工場)」と命名*8され、長らくそう呼ばれていました。
1969年に生産する時計のブランドを「Восток」に統一し、チストポリ時計工場は現在と同じ「Чистопольский часовой завод  «Восток»」となりました。また刻印には頭文字の「В」(写真・でも「R」に見える)が使われましたが、ソ連崩壊後は「RUSSIA」に変更されています。

これ以外にも、ISOの国名コード「SU」を使ったと思われる物や、ペイントで「MADE IN USSR」とされた物、更には無刻印まで有って、その規則性は不明です。意図したものか、ソ連崩壊の前後で混乱していたのか、はたまた適当だったのか。
 

 

コマンダスキーと共に有名な、旧ソ連製の懐中時計 Molnija について書きました。
宜しければご覧ください。

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 ЗАКАЗ МО СССР ソ連国防省発注品

珍しいのか、違うのか 

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写真の文字板下側には ЗАКАЗ МО СССР(ソ連国防省発注品)とあります。

この文字は当初、一部のエリート軍人だけが手に出来る特別な時計の証でしたが、その後は基地内でしか購入できない限定品の印へと、その意味は遷移しました。一般消費者向けに ЗАКАЗ МО СССР の代わりに СДЕЛАНО В СССР(ソ連製)の文字が入ったモデルも登場しましたが、軍関連施設でのみ販売され、軍の身分証明が無いと買えないなどの背景からマニアの間では、 ЗАКАЗ МО СССР の方が稀少とされ人気があります。

 

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同じ文字板で「ЗАКАЗ МО СССР」(左)と「СДЕЛАНО В СССР」(右)。
文字板の5時から7時の下側に見える文字が異なります。(画像クリックまたはピンチ
アウトで確認でします)

ただ一部で「ソ連国防省注文品」という文字から、実際に軍へ装備品として納入された軍用時計という、誤った捉え方から希少品とされる向きもあります。同じボストーク社が、1967年に軍の命令によりアンフィビアを元に開発し実際に納入した軍用の潜水時計 НВЧ-30 には単に「СДЕЛАНО В СССР(ソ連製)」とだけ入っています。(文字が入ってないモデルもあります。)


ЗАКАЗ МО СССР」はソ連国防省が「特別な時計」の印として入れさせたのがその始りで、軍用品の証ではありませんが、普及した民生品のコマンダスキーより数は少なく、その点では珍しい時計であることは間違いありません。

 

ちょっと宣伝。良かったこっちも読んでください。

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「軍関係の施設で、軍人だけが買える」そんなルールの有ったソ連国防省注文品のコマンダスキーも外貨の前では別で、支払いがドルだと誰でも買えたり、また外貨が得られる輸出では、そのカタログに載っていたりします*9。 それが理由かは分かりませんが、日本でもちょくちょく見掛けます。*10

 

 悲しい時計

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この潜水艦の絵柄のモデルもよく見かけます。同様によく見掛ける戦車の絵柄より少し古い時代のようです。見ての通り経年劣化なのか、文字板の塗料が酷くひび割れいます。単なる月日を重ねての物ですが、崩壊し消滅したソ連で作られた時計だと思うと、何か物悲しさを感じてしまいます。

 

防水について

現在でも回転ベゼルを備えたコマンダスキーは良く見かけますので、入手はそれほど難しくはないと思いますが多くの場合はオーバーホールが必要で、そのまま実用に耐える物は少ないと思います。その中でもパッキン類、特にねじ込み式の竜頭のパッキンは劣化により硬化し、防水性が失われている場合が多いです。 

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こういう事に成る前にパッキンの交換をお奨めします。*11


 

 ソビエト連邦からロシア連邦へ

「何も足さない、何も引かない」ウイスキーみたいな時計
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ソ連時代のクラシカルな文字板のコマンダスキーは、現在もボストーク社で製造されています。写真は新旧揃った戦車の絵柄のコマンダスキーです。

右端は1980年代後半のソ連製。中央はロシア製ですが、ムーブメントにはソ連製と同じ手巻き式の「Восток 2414А」 が使われています。 左端も同じくロシア製でムーブメントは自動巻きの「Восток 2416Б」です。これもまたソ連時代に設計された物です。

文字板のデザインはソ連時代からほとんど変わりません。それどころか、ムーブメントもグラグラな竜頭*12も、品質も(?)、ソ連時代と変わらない。いいのか悪いのかは別として、凄い。


 

 グラグラの竜頭(リューズ)の謎

初めてコマンダスキー(ねじ込み式・アンフィビアも)を手にして、一番驚くのは竜頭*13だと思います。ねじ込み竜頭を緩めたら、グラグラでびっくり!と言う人も多いかもしれませんが、それで正常なんです。

なぜグラグラなのか。実際、セイコーやオリエントのダイバーズウォッチの竜頭も、ある程度はグラグラしますし、これは構造上仕方の無いことです。ただ、内部にスプリングが入っていたり、各部品の加工精度が良かったりと色々と工夫され、ボストークより遥にしっかりしています。

では何故、そうしなかったのか。海外の時計フォーラムでは色々な説が唱えられていますが、真相は分かりません。出来ないのか、したくない理由があるのか、そもそも気にして無いのか。*14


 watchuseek.com という時計愛好家のフォーラムに、グラグラ竜頭の構造を説明したGIFアニメが載っています。凄い! 一目瞭然です。  

www.watchuseek.com

以下の説明では、上記のスレッドからGIFアニメを引用しています。

 GIFアニメ(1)

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Great illustration: joecool  (Why a Vostok crown feels loose)

竜頭を緩めた状態。竜頭と巻芯が分離された位置なのでグラグラします。

GIFアニメ(2)

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Great illustration: joecool  (Why a Vostok crown feels loose)

竜頭が引っ張られると、同じ形をした互いの穴と軸が噛み合う。

 

GIFアニメ(3)

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Great illustration: joecool  (Why a Vostok crown feels loose)

竜頭が巻芯と結合すると、巻き上げや針の操作が可能になる。

注意:ゼンマイを巻き上げる際、竜頭を押し込む方に力が入るとGIFアニメ(1)の状態になって空回りします。巻き上げる指をケースに沿わせて竜頭を安定させるか、気持ち引っ張り出す感じで巻くと良いと思います。(無理して巻芯を折ったり曲げたりしないように‥)

 

下はコマンダスキーの竜頭を裏側から写した物です。これはロシア製の新品ですが、ガスケット(写真上側)がちゃんと嵌ってない‥。*15

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GIFアニメ(1)の状態。竜頭の五角形の穴に巻芯(ピンボケ)の円柱部分が来ており、噛み合わずフリーの状態です。

 

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GIFアニメ(3)の状態。巻芯を引き出すと(=竜頭を引き出す)巻芯の円柱部分の奥にあった五角形の軸と竜頭の五角形の穴が噛み合う。
 

この構造から来る注意点が一つあります。普通のねじ込み式竜頭は、竜頭を緩めて一段引き出すと時刻調整*16 、押し込むと巻き上げの位置になりますが、コマンダスキーの場合は竜頭が巻芯に対して動く分、巻芯を巻き上げ位置まで押し込むストロークが不足し、一旦竜頭をねじ込まないと(ねじ込んでストロークを稼ぐ)巻き上げが出来ません。ちょっと面倒です。


 

 どっこい生きてるボストーク

以前、ボストーク社とボストーク・ヨーロッパについてここへ書いていましたが、改めて別に書き直しました。良かったら読んでください。

 

raketa.hateblo.jp

 


最後まで読んで頂き、ありがとうございました。間違いの指摘や、感想などをコメント欄へ頂けたら幸です。




[更新日と内容]

2019.12.16   公開。
2019.12.17  「ЗАКАЗ МО СССР」に関する記述を加筆、変更。
2019.12.18  「ちょっと寄り道1」の SLAVA へリンクを追加。
2020.01.05    写真を追加変更、構成も変更し加筆。
2020.02.02   「どっこい生きてるボストーク」の記事を削除してリングを追加。
2020.02.06   アンフィビアの記事へリンクを追加。
2020.09.01   丸形と角型のコマンダスキーの写真を追加。
2020.09.08   目次の追加。「ЗАКАЗ МО СССР」に関して若干、加筆。
2020.09.18 グラグラ竜頭のGIFアニメと写真、説明文を追加。「コマンダスキー      のポスター」へのリンクも追加。
2021.04.06 回転ベゼル付きモデルと、新生コマンダスキーの写真を追加。
2021.08.29 脚注1を加筆。
2023.05.01 「チストポリ時計工場のコマンダスキー」を新しい情報を元に加筆。
2023.08.06 改行コードを削除。
      
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*1:竜頭を引くと秒針が止まる機能

*2:「この機械が入って初めてコマンダスキーと呼べる」という信念が経営陣に有る…訳ではなく、苦しい経営の中で新しい製造ラインは無理。…が真実かもしれない。詳しくは「どっこい生きてるボストーク」をお読み下さい。

*3:一番売れそうな気がするのだが。

*4:一番初めに製造されたのは、数字以外のインデックスが三角形のモデルだと言われており、これはそれに続く、初期に普及したモデルがベースになっていると思います。

*5: чистополь(チストポリ)の文字が、国防省の指定だったかは不明です。

*6:最近はラケタやモルニヤ、スラバなども時計を製造していますが、ボストークのように全てのパーツを自社製造しているかは不明です。

*7:英訳では、「 Chistopol watch factory "VOSTOK"」 英語表記では、「Vostok Watch-Makers Inc.」となります。

*8:工場は1942年から稼働していますが、その間は工場の番号で呼ばれていたと思います。

*9:前出のコラム「時計王国 ソビエト連邦」のカタログに写っています。拡大すると6時と7時の間が5文字で「ЗАКАЗ」 と分かります。また6時の右は「МО」2文字の幅があります。ソ連製だと「СДЕЛАНО」の7文字に、右は「В」の1字ですから。

*10:回転ベゼルタイプ以外の「ЗАКАЗ МО СССР」は数も少なくレア物で、見かけたことが無いです。欲しい!

*11:ほんの少し竜頭に水が掛かっただけですが、竜頭のパッキンが石の様に硬化していた為に水が入った例です。

*12:下の「グラグラの竜頭(リューズ)の謎」に詳細があります。

*13:りゅうず、リューズ、クラウンなど呼び名は色々

*14:締め込むと巻真と竜頭が分離するので耐衝撃性が増すとか、巻真の破損防止など色々と言われています。しかし実際は、製造には精度もコストも不要で、製品としてもゼンマイは巻けるし防水も十分に効くので、あとの問題は使う奴が何とかしろ、的だったかもしれません。(ソ連らしい)

*15:ガスケットを押し込む際の治具の跡がズレてるのが分かる。

*16:カレンダー無し時計の場合