昭和の時計とソ連の時計

古い時計のあれこれ

トランジスタ式 目覚まし時計 リズム

CITIZEN RHYTHM 目覚まし時計

公開日:2019/02/25    最終更新日:2019/02/25  

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お気に入りの CITIZEN RHYTHM の目覚まし時計です。

横が23cm、縦が12cm、奥行き7cmと、まるで置時計みたいな大きなサイズですが、ベルも付いていますし、目覚まし時計です。右側の黒いツマミでベルが鳴る長さを決めます。途中でベルを止める機構が無いので、鳴らす分(起きれる分)だけゼンマイを巻く仕様です。右端まで一杯巻いて、約20秒間鳴ります。長いのやら短いのやら…。

 

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この時計には、テンプを調速機としたトランジスタ式のムーブメントが載っています。

同じテンプとトランジスタを用いた目覚まし時計は、今でもオークション等で入手可能ですが、その多くが脱進機に羽根車を使っています。しかし、この時計はゼンマイ式目覚まし時計と同じ、ピンレバー脱進機を使った古いモデルです。ゼンマイからトランジスタへの、移行途中のモデルだと思います。

 

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ムーブメントがオレンジ色のケースに入っています。なぜオレンジ色? 手元にある資料には、ムーブメントの仕様があったので載せておきます。

 

A型(単一型)用仕様

定格電圧 D.C 1.5V
駆動コイル 170Ω
発電コイル 900Ω
トランジスタ 日立製 2SA16S(PNP型)
コンデンサー 0.1μF  0.05μF 各1個
磁石の強さ 1600ガウス
消費電力 0.55mA 以下
最低動作電圧 1.1V
振動数 14,400回/時
石数及び使用箇所 テンプ上下穴石(2石)、上下受石2石
ヒゲゼンマイ材質 エリンバー
温度係数 ±2秒/日/℃  但し電子回路を含む
緩急針 二重緩急針

 

資料には「昭和43年」と書かれていました。51年前…。
 

  


CITIZEN RHYTHM トランジスタ式 目覚まし時計

動いている様子です。

ピンレバー脱進機の動きがよく分かります。録音の音が小さいですが、実際はもっと大きいです。これを枕元に置いて寝れた昭和の人はすごい。

  

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目覚ましのベル部分です。

左の写真の銀色の鍋みたいなのがベルです。右の写真は、その内部で回転してベルを鳴らすハンマーです。白いアームの両端に丸い金属が付いています。

分解時はご注意下さい。ハンマーが反時計回りに回転する為、ベルの取り付ネジは緩み防止の為に逆ネジです。ゼンマイ式のトラベルウオッチなども、カレンダー周りが逆ネジになっている物もあります。

 

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オーバーホールの後、コップの中で動作確認中。

不動品として入手しましたが、心配していたコイルの断線も無く(一番多い故障原因)、単なる油切れでした。2017年にオーバーホールしましたが、現在も日差 +10秒程で元気に動いています。しかし、カチカチ音が大きすぎるので置時計になっています。

 

 

[更新日と内容]

 2019.02.25 公開

 

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